白内障
人の眼はカメラによく例えられます。例えば「水晶体」はレンズの役割をし、光を「網膜」に集め、ピントを合わせます。
これにより網膜で得た情報が脳に送られ、モノが見えるようになります。
しかし、白内障ではこの水晶体が濁ることにより、光が正しく届かなくなり、視界がぼやけます。白内障の初期の症状としては、目のかすみや見えにくさ、眩しさを感じることがあり、進行すると視力低下が起こります。
主な原因は加齢ですが、アトピーや糖尿病、外傷でも若年期から発症することがあります。
大学病院や眼科専門病院での勤務経験から、白内障治療をはじめとした様々な症例に対して、豊富な治療経験や知見を持っています。
本院「きたあやせよつば眼科」と3つの分院のうち一つ、自由が丘よつば眼科の院長として2025年に就任。
目次
白内障とは
白内障は、目の中で光を屈折させ、視覚情報を網膜に伝える役割を果たす「水晶体」が濁ることで起こる病気です。
通常、透明で軟質な水晶体は、外部から入ってきた光の量を適切に調節し、網膜にピントを合わせることで鮮明な視界となります。
しかし、白内障が進行すると水晶体の透明性や弾力性が失われ、光が適切に通過できなくなり、視界がぼやけるなど、見え方の異常が生じます。
白内障の主な原因は加齢です。年齢を重ねるとともに、老化現象の1つとして水晶体が硬くなり、濁り始めることが一般的です。これは「加齢性白内障」と呼ばれ、高齢者に特に多く見られます。
しかし、白内障の原因は加齢に限らず、他にも様々な要因が影響します。
そのため、白内障は高齢者だけでなく、若い世代や中年層でも発症することがあります。
生活習慣や全身の健康状態が眼の健康にも影響を及ぼしますので、生活習慣の見直しや定期的な眼科検診が大切になります。
白内障の原因
白内障の原因はひとつではありません。
それぞれの特性を理解したうえで、医師と相談しながら治療を進めることが重要です。
ここでは、白内障の原因について解説します。
加齢
加齢は白内障の最も一般的な原因とされています。
年を重ねるごとに、水晶体に含まれるタンパク質が変性し、透明性が失われて濁りが発生します。
加齢に伴い誰にでも起こり得るため、「老化現象」の一部とみなされています。
50歳以上の方に多いため、40代を過ぎたら定期的な眼科検診が大切となります。
糖尿病
糖尿病患者は、血糖値の上昇によって、微細血管に損傷が生じやすくなります。
この影響により、目の中の水晶体に栄養が届きづらくなることで、水晶体が変質しやすく、白内障発症のリスクが増加します。糖尿病の方は、定期的な眼科検診を受けましょう。
アトピー
アトピー性皮膚炎を患っている方は、アレルギー反応によって眼の健康にも影響が出る場合があります。
特に、アトピーによる目の周りの炎症や長期間にわたるステロイド治療は、白内障を誘発する要因となります。皮膚科医との相談により、眼科での診察も含めた最適な治療計画を立てることが望ましいです。
外傷
眼を強く打ったり、外的な怪我を負った場合、白内障の症状が現れることがあります。
例えば、事故やスポーツ中の目への衝撃は水晶体を直接傷つけ、水晶体の変質による濁りなどを引き起こすことがあります。
目への外傷後は速やかに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
その他
喫煙などの生活習慣は白内障の進行を促進する可能性があります。
さらに、長時間にわたって紫外線が目に当たることも白内障が進行する原因の1つです。日常的なサングラスの使用や日差しを避ける行動が白内障の予防へとつながります。
健康的な生活習慣を維持することで、白内障が早期に発症するリスクを抑えられます。
白内障の症状
白内障の進行に伴い現れる症状は様々です。一般的な症状は以下になります。
- 視力の低下
- 視界が霞む
- まぶしさを感じやすくなる
- 青色がくすんで見え、色覚の変異を感じる
- モノや影が二重に見える
- 視界が暗くなり、物が見えにくくなる
- 全体的にぼやける
視力の低下
白内障が進行することで、水晶体が濁り、光が目の奥の網膜に正しく届かなくなります。
この結果、視界全体がぼやけてしまい、特に遠くの物や細かい文字を読み取るのが難しくなります。
視界が霞む
白内障による水晶体の混濁は、視界がかすんだ霧がかかっているように感じられる状況を生み出します。
これは、光が網膜に到達する前に散乱するために起こります。
視界のかすみは、日中だけでなく、夜間の運転にも影響を及ぼします。
まぶしさを感じやすくなる
白内障の進行は、目に入ってくる光の感受性を変化させ、特に明るい光に対する過敏性を高めます。
特に対向車のヘッドライトや、直射日光がまぶしく感じられるようになることがあります。
青色がくすんで見え、色覚の変異を感じる
白内障は色の認識能力にも影響を及ぼします。特に青色がくすんで見えることが知られています。これは、水晶体の濁りが特定の波長の光を選択的に散乱するためです。
モノや影が二重に見える
白内障による光の屈折異常は、物や影が二重に見える「重複視」を引き起こします。
この現象は、目に入る光が不均等に分散され、網膜上の焦点が1点に合わなくなるためです。
視界が暗くなり、物が見えにくくなる
白内障の進行は、特に低い照明度の条件下で視界が暗く感じられます。
夕方や曇りの日には、全体的に物が見えづらくなり、視界が薄暗くなることがあります。
全体的にぼやける
視野全体がぼやける症状は、白内障の進行による典型的な症状の1つです。水晶体の濁りが網膜に到達する光を均一に妨げることで、クリアに物を認識することが難しくなります。
1つでも当てはまる症状があれば、早めの受診が必要！
上記の症状のいずれかを感じた場合、白内障の進行が進んでいる可能性があります。 白内障の進行により、視力が低下することによって、生活へ支障をきたすだけでなく、認知症の進行を早めてしまうこともあります。 眼科施設での検査によって早期に白内障を発見し、治療を早く始めることが大切です。
白内障の治療
白内障の治療は、進行度に応じて異なります。
初期治療は点眼薬による対症療法
白内障の初期段階では、点眼薬を用いて進行を抑えられます。白内障の症状の進行を一時的に抑えることができるものの、あくまで進行を緩やかにするものであり、根本的に白内障を治療するものではありません。
根本的な治療には白内障手術が必要
白内障が進行し、症状が日常生活に支障をきたすようになると、手術が必要となります。
白内障手術は、濁った水晶体を取り除き、水晶体の代わりに透明な人工の眼内レンズ（単焦点眼内レンズ・多焦点眼内レンズ）を挿入する手術です。
挿入する眼内レンズの種類によって、患者さまの目の状態や生活スタイルに応じて、希望の見え方を選ぶことができます。
白内障手術を受ける適切な時期については、患者さまの目の状態やライフスタイルを基に医師と十分に話し合い、患者さまの最適な治療プランをを選ぶことが大切です。
白内障手術の検討時期
前述のとおり、白内障の症状が現れてから直ぐに白内障手術を受ける必要はなく、患者さまそれぞれの目の状態やライフスタイルによって、手術を受ける時期を医師と共に検討します。手術の検討時期として、下記を目安にご参考にください。
- 日常生活に困難が生じている
- 免許更新が困難になった
- 仕事や生活に支障をきたす
- 白内障が急速に進行している
- 他の眼疾患や健康上の理由で早急な手術が必要
- 緑内障など他の合併症が確認された
白内障の検査と手術のご案内
当院では、精密な目の状態の検査を通じて、患者様の白内障の進行度や現在の目の状態、さらにはライフスタイルを含めて総合的に評価することによって、患者様一人ひとりに適した手術の時期をご提案いたします。
手術が必要と判断された場合には、最新の機器を備えた本院「きたあやせよつば眼科」にて、日帰りでの白内障手術を受けていただくようご案内いたします。
手術後のアフターケアは継続して当院で行い、気軽に通院いただける環境を提供しております。
POINT
白内障手術の執刀医について患者様のご希望があれば、当院院長の木村医師を指名いただくことが可能です。ご希望の方はお申し付けください。※手術は本院の「きたあやせよつば眼科」にて実施します。
当グループにおける日帰り白内障手術について
当グループでは、最新のレーザー技術を用いた日帰り白内障手術を実施しています。
この手術方法は、水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入する際の切開創をレーザーによって精密に施術することによって、従来の技術と比べてより少ないリスクで、効率的かつ安全に白内障手術を実施することが可能です。
さらに、豊富な種類の多焦点眼内レンズを導入しており、患者様一人一人のご希望の見え方へ調整が可能です。
経験豊富な医師によるカウンセリングを通じて、患者様の生活スタイルや個別のニーズに合わせて挿入する眼内レンズの種類を提案いたします。
まとめ
水晶体が白く濁って視力に支障をきたす白内障は老化現象の1つで、加齢に伴ってほとんどの人が経験する目の病気です。
根本的な白内障の治療方法としては手術が必要になりますが、白内障の症状が現れてからすぐに手術を受ける必要はなく、患者さまそれぞれの目の状態に合わせて医師と手術の時期を検討することが大切です。
当院で白内障の検査と診察を行った後、手術が必要と判断した場合は本院「きたあやせよつば眼科」にて日帰り白内障手術をご案内しております。
白内障手術の執刀医について患者様のご希望があれば、当院院長の木村医師を指名いただくことも可能ですので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。
お気軽にお問い合わせください。
自由が丘よつば眼科医院では、WEB予約またはお電話予約を承っております。
予約していただくことによって、診療までの待ち時間が少なくなります。
※ご予約なしの場合でも診察は可能です。ただし、ご予約の方が優先となりますので、予めご了承ください。
※視野検査・眼鏡処方・コンタクトレンズ・オルソケラトロジーのご予約はWeb予約では承ってません。直接当院へお問い合わせください。
大学病院や眼科専門病院での勤務経験から、白内障治療をはじめとした様々な症例に対して、豊富な治療経験や知見を持っています。
本院「きたあやせよつば眼科」と3つの分院のうち一つ、自由が丘よつば眼科の院長として2025年に就任。
