屈折異常
近視・遠視・乱視といったピントがあってない状態のことを屈折異常といいます。物体を正しく映し出す機能が正常に働いていない状態で、物がぼやけて見えたり、視界が不明瞭になることがあります。
特にお子さまの場合、弱視や斜視の原因となることがあるため、早期に異常を発見することが重要です。
屈折異常の一般的な治療は、眼鏡またはコンタクトレンズ（矯正レンズ）を使用することです。屈折異常を改善して、裸眼で過ごしたい方にはICL（眼内コンタクトレンズ）やレーシックも当グループにてご提案しております。
大学病院や眼科専門病院での勤務経験から、白内障治療をはじめとした様々な症例に対して、豊富な治療経験や知見を持っています。
本院「きたあやせよつば眼科」と3つの分院のうち一つ、自由が丘よつば眼科の院長として2025年に就任。
目次
屈折異常とは
正視とは、角膜と水晶体で光が正しく屈折して、網膜にピントが合っている状態のことです。
目の構造はカメラとよく似ており、角膜と水晶体がレンズ、網膜がフィルムに相当します。目に入った光が角膜と水晶体で屈折し、網膜にきちんと像を結ぶことによってはっきり見える状態が正視です。
屈折異常とは、角膜と水晶体で光が正しく屈折せず、網膜にピントが合っていない状態です。
角膜と水晶体で光が屈折する力と網膜までの距離が合わないとピンボケになります。
大きく分けて近視、遠視、乱視の3つがあります。屈折異常の原因は、目の光学系である角膜や水晶体が光を正しく屈折できないことです。
具体的には、眼軸の長さや形状の異常、角膜や水晶体の屈折力の変化、表面の不規則性が影響します。
眼軸が長いと近視、短いと遠視が生じ、球面でない場合は乱視が発生します。
また、加齢による水晶体の硬化や調節力の低下は老視（老眼）を引き起こします。
目の過度な使用や外傷、手術後の影響、さらに遺伝的要因も屈折異常に関与しています。
これらの要因が複雑に絡み合い、屈折異常が生じることがあります。
近視
近視（きんし）は、屈折異常の一種で、眼球に入ってきた平行な光が、調節力が働いていない状態で網膜の正しい位置よりも手前で焦点を結ぶ現象です。
これは、角膜や水晶体の屈折力が強すぎるか、眼球が長いことが原因で発生します。目のピントを調整する筋肉（毛様体筋）が働かないと、焦点がどこに合うかによって近視の程度が異なります。
近視の人は、遠くの物体を見るときに、網膜の手前に焦点が合ってしまうため、はっきりと見ることができません。
近視の度合いが進むにつれて、より遠くの物が見えにくくなります。
近視の分類は、大きく分けて次の2つです。
- 単純近視
- 病的近視
単純近視
単純近視とは、遺伝や環境の影響で引き起こされると考えられ、小学校高学年〜中学校で始まることが多く学校近視、学童近視などとも呼ばれます。
視機能障害を伴わずレンズを使うことで矯正できるもので、大半の人はこの単純近視に該当します。
強度近視（病的近視）
強度近視は、一般的に単純近視よりも早く、幼児期の段階から視力の異常が見られます。
極端に眼軸が長くなり、強度の近視となるため、メガネなどで矯正しても効果が出にくいのが特徴です。
眼球が大きくなり、引き伸ばされた網膜の厚みが薄くなっているため、眼へのわずかな衝撃でも網膜の出血や網膜剥離（もうまくはくり）などにつながります。
発生原因は詳しくは分かっておらず、遺伝の影響とも考えられています。
失明につながる恐れもあるため、幼児が見えづらそうにしていたら、早めに眼科を受診してください。
遠視
遠視は、目に入った光が網膜の後ろで焦点を結ぶ状態で、角膜や水晶体の屈折力不足や眼球の短さが原因です。
このため、近くの物も遠くの物もぼやけて見えます。
遠視の人は常に目を使うため、眼精疲労を引き起こしやすいです。特に子どもにおいては、視力が悪いことに慣れてしまい、日常生活で不便を感じていないように見えることがあります。
視力測定で問題が見つかっても、そのまま放置すると「弱視」や「遠視」のリスクが高まります。
眼科で検査を行い、必要に応じて視力に合った眼鏡やコンタクトレンズで視力を補正するのが基本的な対処法となります。
乱視
乱視は、目の屈折異常の一種で、角膜や水晶体の形状が歪んでいるために、光が入る方向によって焦点が合う距離が異なる状態を指します。
このため、網膜に正しく焦点が合わず、物が二重に見えたり、ぼやけて見えたりすることがあります。
一般的な乱視は「正乱視」と呼ばれ、白内障や角膜の病気によって生じる乱視は「不正乱視」と2種類に分類できます。
乱視の治療方法には、乱視用の眼鏡やコンタクトレンズによる矯正、またはレーシックやICLなどの屈折矯正手術があります。
正乱視
正乱視は、目の角膜や水晶体が特定の方向に歪んでいる乱視の一形態です。
この乱視は、角膜や水晶体の縦または横のカーブにおいて屈折力に違いが生じる「方向が規則的な乱視」として知られています。
メガネや乱視用のソフトコンタクトレンズを使用することで、視力を矯正することができます。
不正乱視
正乱視は「カーブが規則的な乱視」を指し、不正乱視は「カーブが不規則な乱視」を指します。
不正乱視では、角膜の表面が不規則に歪んでおり、凹凸が生じるため、焦点が複数できてしまい、安定した視界を得ることができません。
この状態は、円錐角膜などの角膜変性疾患や外傷が原因となることがあります。
不正乱視の場合、メガネやソフトコンタクトレンズでは矯正が難しいため、ハードコンタクトレンズによる矯正が必要です。
屈折異常の治療方法
屈折異常（近視・遠視・乱視）の治療には、メガネ・コンタクトレンズによる矯正基本となります。
裸眼で見えるようになる治療方法としてレーシック（LASIK）とICL（眼内コンタクトレンズ）の2種類「視力回復手術」があります。レーシックとICL（眼内コンタクトレンズ）は、どちらも近視や乱視の矯正手術で、安全性が高い方法です。
どちらの手術が適しているかは、目の状態や生活スタイル、費用などの要素を考慮して決める必要があります。
レーシック（LASIK）
レーシック（LASIK）は、眼の表面の組織「角膜」にレーザーを照射して光の屈折機能を調整する、視力回復手術です。
緻密なコンピューター制御により、短時間かつ精密に角膜を削ることのできる最新のLASIK手術システムをきたあやせよつば眼科医院では導入しております。
ICL（ICL眼内コンタクトレンズ）
ICL（アイシーエル：インプランタブル・コラマー・レンズ）は、近視、遠視、乱視などの屈折異常を矯正するための手術です。
この手術では、水晶体を残したまま眼内にレンズを挿入することで屈折を矯正します。レーシックとは異なり、角膜を削る必要がないため、強度近視や角膜が薄い方でも適用可能です。ICLは、レーシックやレーザー手術では改善が難しい強度近視や強度乱視、さらには軽度の円錐角膜の方でも裸眼での視力を向上させることができます。
この手術を受けることで、コンタクトレンズやメガネが不要になり、安全で長期的な視力の安定が期待できます。
また、万が一の際には元の状態に戻すことができる可逆性の高い手術であるため、多くのメリットがあります。
さらに、ドライアイのリスクや視力のリバウンド（近視の戻り）といった懸念も低いことが特徴です。
当グループでの視力回復手術
視力回復手術として、レーシック（LASIK）とICL（眼内コンタクトレンズ）は、どちらが適しているかは、それぞれメリット・デメリットがあり、どちらが適しているかは患者さまの目の状態により異なります。
当院では、屈折異常（近視・遠視・乱視）のカウンセリングを実施中です。患者さまの目の状態に合わせ、適切な治療法をご提案いたします。
本院での適応検査および手術のご案内、アフターフォローや術後検査は当院で可能です。
きたあやせよつば眼科では、最新の医療機器を用いた「レーシック（LASIK）」治療、ICL認定医による「ICL」治療を行っております。
まとめ
近視・遠視・乱視といった屈折異常は、過度な目の使用や外傷、遺伝的要因や老化など、様々な原因によって起こります。
それぞれの屈折異常の種類によって、メガネまたはコンタクトレンズにより矯正することが基本的な治療方法となります。
屈折異常を改善し、裸眼で過ごしたい方にはICL（眼内コンタクトレンズ）やレーシックといった屈折矯正手術も選択肢の1つで、当院グループではこれらの手術ついても患者さまの目の状態やライフスタイルに合わせてご提案しておりますので、お気軽にご相談ください。
お気軽にお問い合わせください。
自由が丘よつば眼科医院では、WEB予約またはお電話予約を承っております。
予約していただくことによって、診療までの待ち時間が少なくなります。
※ご予約なしの場合でも診察は可能です。ただし、ご予約の方が優先となりますので、予めご了承ください。
※視野検査・眼鏡処方・コンタクトレンズ・オルソケラトロジーのご予約はWeb予約では承ってません。直接当院へお問い合わせください。
大学病院や眼科専門病院での勤務経験から、白内障治療をはじめとした様々な症例に対して、豊富な治療経験や知見を持っています。
本院「きたあやせよつば眼科」と3つの分院のうち一つ、自由が丘よつば眼科の院長として2025年に就任。
